言葉の力3

かねこカウンセリングオフィスの金子です。

6月も最後の週ですね。令和初の台風が近づいているようです。

ジメジメとした天気に加え、暴風や暴雨には十分にお気をつけ下さい。

本日は、以下の本からの引用ですが、言葉の力3として、お届けしたいと思います。

 

システムズアプローチによる家族療法のすすめ方 吉川悟+東豊 ミネルヴァ書房 2001

P207 言葉の力  ある不登校の事例

両親が相談に来られていたのですが、お父さんが、どちらかといえば仕方なく連れて来られているような気分がまだ残っていた段階の話です。そのお父さんに子どもの喜ぶマンガを週に1、2冊買ってきて頂く様にお願いしました。翌週お会いした途端、お母さんはにこにこ顔で話されました。それは、これまで口もきかなかった息子が、食卓で色々と話しをするようになり、その上色々なお手伝いまでしてくれるようになったとのことでした。理由を尋ねたところ、お父さんがマンガを買ってきてくれたことに対して、息子が驚き、どうしてこんなことをしてくれたのかを父親に聞いたときに「お前も大変だろうから、ゆっくり気分転換でもすればいい」と話してくれ、それ以来、様子が一変したとのことでした。

この話を聞いて、父親にかけた私の言葉は、今も忘れない一言になっています。

それは、「お父さんが今回うまく関わってもらったおかげで、ずいぶんと彼の様子が変わってきたのですね」という一言でした。当然父親に対する他意はなく、純粋に父親の対応を素晴らしいと思ったからこそ、口をついた言葉です。しかし、私の意図は一切伝わっていないことが父親の返事で明確になりました。その返事とは、「先生、それは私がこれまで息子に何も関わってこなかったという意味の皮肉ですか」というものでした。

この言葉を聞いたときは、一瞬耳を疑い、我が目を疑いました。そしてその意味が掴めたときには、どう話せばいいか、正直「言葉を失う」という状態にあったと思います。これを境に、言葉の使い方については神経質になっていきました。何よりそれまで何気ない日常の言葉を多様していたため、より一層の言葉の持つ、隠された意味に対しての配慮が不可欠だと実感したのです。(太線、筆者)

いかがでしょうか??

スクールカウンセラーとしてのみならず、お子様のことでの悩みについてのカウンセリング場面にて、父親との面接はとても大切だと思っています(もちろん、母親との面接も大切です!)し、男親の参加や介入というのは、大きな変化につながる可能性が大きいので、そのような機会はとても大切にしつつ、言葉の選択や提案をいつもより慎重かつ念入りにしています。そしてこのエピソードにもあるように、「お父さんが今回うまく関わってもらったおかげで、ずいぶんと彼の様子が変わってきたのですね」といった旨の言葉がけをすることも少なくはありません。

しかし、ここは既述にもありますが、「言葉の使い方をより神経質にする」という姿勢を忘れてはいけないと思っています。関係性の程度や深さ、言葉がけのタイミングや声量等、カウンセリング場面で気をつけ、注意をたくさん、払いつつ、よりよい解決に向けての面接を行っていきたいと思っています。

ではでは~