「見えないものへの恐怖」への対応策①

かねこカウンセリングオフィスの金子です。

新型コロナウィルスが猛威を振るっています。皆様、十分に気をつけていらっしゃるかと思いますが、ご自愛ください。

さて、今回のタイトル「見えないものへの恐怖」と挙げましたが、見えないものとして、ウィルスや菌がまさに「見えない」ものですよね。他には「不安」や「恐怖」という感情も目に見えません。この「不安」や「恐怖」が強すぎて生活に支障が出てしまう病を不安障害、強迫性障害と呼ばれるものがあります。

これらの疾患の背景には「考え方の癖」というものが複雑に絡んでいることが多いです。具体的には「ここを触ったから、菌がついたかも知れない」、「あの人の咳はなんだか、変な咳だ。ウィルスが飛んでいるに違いない」、「(車を運転している時に)なんだか変な音がした・・・動物を轢いたかも知れない」、「鍵を閉め忘れたかな・・・もし忘れてたら、泥棒に入られたらどうしよう」などなど。

挙げればキリがなく、その人にしかわからない考えやオリジナルなストーリーが展開されます。ざっくり言えば「度を超えた心配性」ともいえるでしょうか・・・。そして、この疾患は、「第三者が困るか、どうか?」ということもポイントになります。どういうことかというと、先の「ここを触ったから、菌がついたかも知れない」という考えがあります。この考えは今のような状況下では多くの人が思い浮かぶことが多いでしょう。私もその中の一人です。そのために、公共交通機関や外出時に、不特定多数の方が触る部分に接触した際には、除菌や手洗いをするでしょう(むしろ、した方がいいでしょう)。そこは、リスクマネジメントや危機管理という側面ではとても重要なことです。しかしながら、この側面が「第三者が困ってしまう程度」にまで発展してしまうと、病的と言われてしまう場合があります。

具体的には、菌がついたからといって、1時間もかけて手洗いしてしまい、いくつものせっけんを使ってしまう。または5分に一度、除菌スプレーをして、仕事や家事等に支障を来す。または家族や周囲の人へ除菌等を強制し、相手の行動を制限してしまう。などといったものです。

また「頭ではわかっていても、行為をやめることが出来ない」という面も特徴的です。不安障害、強迫性障害で苦しんでいる方へのカウンセリングにおいて、この旨の発言は非常に高い確率で耳にします。そして、頭ではわかっているものの、どうしようもないからこそ、苦しいものになります。では、カウンセリングでは、どのようにして、この考え方の癖ややめられない行為を改善・修正していくのか?

次回はその点について、述べたいと思います。