P循環療法2

人の感情というものは「ポジティブ」時もあれば「ネガティブ」な時もあると前回書きました。そのような心の状態を「P(ポジティブ)要素」と「N(ネガティブ)要素」と捉え、そのバランスのあり方によって、幸福感・不幸感が決定されるという考え方を東豊先生は「P循環療法」で提唱しています。

要するに、「常に幸福な人」や「常に不幸な人」はいません。「P要素」も「N要素」も万人の心の中に等しくあり、個人の意識の持ち方によって、どのようなバランスを保持するかを決定することが出来ると考えます。

「P(ポジティブ)要素」とは・・・

・利他主義:自分の利益よりも他者の利益を優先する姿勢

その背景には・・・

・精神主義:精神的な喜びを重視すること

・肯定的意味づけ:様々な出来事に対して、良いこと・価値あることとして意味付けること

→これらの姿勢や思考、態度に根差した言動をとっていて、肯定的意味づけを頻繁に用いる人を・・・

P要素の強い状態にある人>と呼びます

P要素の強い状態にあると・・・

愛 慈悲 受容 思いやり 勇気 感謝 喜び 楽しみ 安心 信頼  などといった感情が、その人自身の内面や所属する組織内に循環する割合が大きくなる

これらの感情を・・・

P感情」と呼びます

次に

「N(ネガティブ)要素」とは・・・

・利己主義:自分の利益を重視する姿勢

その背景には・・・

・物質主義:お金や物(人)などの獲得・所有などを重視すること

・否定的意味づけ:様々な出来事に対して、悪いこと・価値のないこととして意味付けること

→これらの姿勢や思考、態度に根差した言動をとっていて、否定的意味づけを頻繁に用いる人を・・・

N要素の強い状態にある人>と呼びます

N要素の強い状態にあると・・・

妬み 恨み 不満 怒り 悲しみ 軽蔑 憎悪 復讐 疑い 恐怖 不安 等

といった感情が、その人自身の内面や所属する組織内に循環する割合が大きくなる

これらの感情を・・・

N感情」と呼びます

☆N要素からP要素への変化

各人のP・N各要素のバランスは、その人の全人格を示すものではない

「利己的な人」、「利他的な人」はいない

ただいまは、利己的な傾向が強く出ている状態の人

ただいまは、利他的な傾向が強く出ている状態の人

その時々の意識の持ち方によって変動する

少しでも「P要素」の強い状態に持って行きましょう!

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