本の紹介 27

かねこカウンセリングオフィスの金子です。

「学校の中の発達障害、本田秀夫、SB新書、2022」

ふと、本屋さんで目に留まり、読んでみたら面白かったです。

(こういう偶然の出会いが、私は嬉しいんですよね~~(^_^))

冒頭に5つの質問が出されていました。

皆さんも、ぜひこの空欄に入る言葉を考えてみてください。

Q1   学校とは「             」場所である
Q2   学力とは「            」である
Q3   教育で大事なのは、子どもの「              」を伸ばすこと
Q4   発達障害の子は「              」から特別支援教育を利用する
Q5   共生社会とは、「              」な人たちがお互いにリスペクトする社会

恒例の気になった点の一部の引用です。

P124
勉強すること自体は悪いことではありませんが、それを難易度の高い宿題と言う形で、子供の心身に負担をかけて進めていくのは危険です。私は子供が自信やモチベーションを持ちながら、無理なく学んでいくと言うバランスが重要だと考えています。そのためには宿題をやめた方が良い場合もあります

P164
子どもは、基本的には「誰かを攻撃したい」と思っているわけではありません。それでも暴力をふるってしまうと言う事は、誰かから理不尽な仕打ちを受けて、それに反抗して身を守っているのだと考えられます。私はそのようなことをお伝えして、親御さんに心当たりがあるかどうかを聞きます。

P255
グループをつくってお互いに協力し、それぞれの長所を生かして一人ではできないことをするというのは、よいことだと思います。しかし、そこで大事なのは「なんらかの成果を上げる」ということであって、「みんなで一緒に」「全員一丸となって」行動することではないはずです。人間は一人ひとり、生活スタイルも、興味や関心の持ち方も違います。得意なことも苦手なことも違います。

P279
現在の学校を見ていると、全員で「がまん比べ大会」をしているように思えてくることがあります。先生と子どもたちが「これも学ぼう」「あの活動にも取り組もう」「その決まりを守ろう」というふうにたくさんのゴールを目指していて、しかも「どれもできなければいけない」と考えている。先生も、子どもも、親も、みんなで歯を食いしばるようにして苦労しながら、それでも全員でがまんして「学校の標準」を守ろうとしている。そういうふうに思えてしまうことがあるのです。

冒頭の5つの質問の空欄が気になった方は、
ぜひこの本を手に取って読んでみていただければ幸いです。
保護者の方々はもちろん、学校の先生にもぜひ、読んでほしい一冊かと私は思いました。
ではでは。