言葉の力2

かねこカウンセリングオフィスの金子です。

THE・梅雨・・・といった天気ですね笑

今日は「言葉の力 2」として長田弘さんの詩を紹介したいと思います。

「なつかしい時間」 長田弘 岩波新書

ねむりのもりのはなし

いまはむかし あるところに

あべこべの くにがあったんだ

はれたひは どしゃぶりで

あめのひは からりとはれていた

 

そらには きのねっこ

つちのなかに ほし

とおくは とってもちかくって

ちかくが とってもとおかった

 

うつくしいものが みにくい

みにくいものが うつくしい

わらうときは おこるんだ

おこるときは わらうんだ

 

みるときは めをつぶる

めをあけても なにもみえない

あたまは じめんにくっつけて

あしで かんがえなくちゃいけない

 

きのない もりでは

はねをなくした てんしを

てんしをなくした はねが

さがしていた

 

はなが さけんでいた

ひとは だまっていた

ことばに いみがなかった

いみには ことばがなかった

 

つよいのは もろい

もろいのが つよい

ただしいは まちがっていて

まちがいが ただしかった

 

うそが ほんとのことで

ほんとのことが うそだった

あべこべの くにがあったんだ

いまはむかし あるところに

 

どうでしょうか??

私は何度読んでも、胸に「ジーン」とする感じがします。

この感情はうまく表現できませんし、自分でもよくわかっていませんが、私のお気に入りの詩の一つです。

ではでは。