気分にだまされない!

かねこカウンセリングオフィスの金子です。

人間は感情の生き物でありますが、体調やその日の出来事などによって、様々な気分や感情が生まれては消え、生まれては消えていきます。

しかし、時に強い、不安感や恐怖感に襲われると、結果的に後悔してしまうような行動に出てしまいがちです。

そのような時に、役に立つ考え方は

「気分や感情にだまされない」

ということです。気分や感情は必ず流れていきます。朝起きた時の気分と、お昼の気分、そして夜寝る前の気分…きちんと比べてみると微妙に違っていることに気がつきます。

もう少し具体的に言うと、「怒り」の感情について取り上げてみましょう。あなたは、母親に怒られた経験はありますか??多くの方があるでしょう。母親に小言や叱責を受けているときに、電話が鳴ったとします。その電話に出るときの母親の声の変容に驚いたことがあるでしょう(笑)。

この点を、岸見・古賀(2013)は「怒りとは出し入れ可能な『道具』である」と述べています。

母親に怒られ、気分が落ち込んだとしても、1時間、もしくは2時間後には、その気分は変わっていることが多いです。

また原田マハさんの小説「本日はお日柄もよく」の中でこのような台詞があります。

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙が止まっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩きだしている」と。

不安やつらい気分・感情は、人の心をだまします。また、それらの感情は、長続きしてしまうことが多いです。しかし、それはもったいないことなのです。なぜなら気分や感情は流れていくから。気分が穏やかな時は一日のうち、いくらかはあるはずです。

そのような気分・感情も、きちんと記憶しておきましょう。そうすることで、「今日は嫌なこともあったけど、いいこともあったなぁ」と一日の終わりに考えることで、心が少しホッとすることがあるでしょう。

                                     

<引用文献>

*1:「嫌われる勇気」、岸見一郎・古賀史健、ダイヤモンド社、2013.

*2:「本日はお日柄もよく」、原田マハ、徳間書店、2013.

 

 

 

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