私の考えるスクールカウンセラーとは・・・③
かねこカウンセリングオフィスの金子です。
前回の続きとして、スクールカウンセラーとしての具体的な関わりや支援について、述べたいと思います。
まず、勤務体系としましては、既述しましたが、原則、1つの学校に週に1度の勤務になります。勤務時間は、私の場合は原則として10時から17時まで。保護者のお仕事の都合や先生方との打ち合わせ等で、時に残業をすることがあります。
次に、主な業務としては、生徒及び保護者へのカウンセリングの実施。他には、教育相談部会といった会議への出席(そこで、助言や提案等)、気になる生徒の行動観察、心理検査(知能検査)の実施、先生方への心理的支援やコンサルテーション、などを行います。
生徒及び保護者へのカウンセリングにおいて、最終ゴールは「問題と言われている(←これも難しい側面があるので、後述します)事象の解決」ですが、それがなかなか難しい・・・そのために、本人(生徒や保護者)と私で色々と話し合い、対策や工夫を検討していきます。そして、その話し合いの中で出た、いくつかの、出来ることから、具体的に行動を起こしていくよう、提案していきます。もちろん、時には保護者のこれまでの苦悩やつらさを聴き、受け止める場合もあります。ケースバイケースで、臨機応変な関わりがポイントになっていきます。ここでいう、ケースバイケースというのは、学校現場で「問題」と称される事態は、時に親や先生方は困っており「問題」と捉えているが、生徒本人は「問題」と捉えていない場合もあるからです。例えば、親は「成績が思わしくない。学習面での問題」と捉えていても、子ども自身は「今は部活動を頑張りたい。勉強は部活動を引退してから考える」といった場合です。このような時のスクールカウンセラーとして、私がどのような行動をとるかは、また別の機会にご紹介したいと思います。
また、これはカウンセリング全般に言えることですが、相手の言うことに対して、「否定せず聴く」というスタンスです。具体的には「でも」、「けど」といった逆接の接続詞は基本、私は使用しないようにしています。一通り、話しを聞いた後に場合によっては使うことはあります(例えば「死にたい」という訴えのケースであれば、「死にたい」という思い十分に受け止めつつ、「でも、決して死んでは欲しくない」という旨を伝える場合など)。
そして、先生、保護者、生徒、どのような場合でも、私は「関係性」というものを大切にしています。いくら、高度な技法や豊富な知識をもったスクールカウンセラーでも、この関係性が上手に築けないのであれば、専門家とは呼べないと考えています(自戒の念も込めて)。では、次回はこの「関係性」というものを、いかに適切に築くために、私が意識していることを述べたいと思います。