本の紹介 42
かねこカウンセリングオフィスの金子です。
前回のブログで紹介した「ケーキの切れない非行少年たち」、宮口幸治、新潮新書、2019.
マンガもあります。
また写真上の右の「発達障害と少年犯罪」、田淵俊彦、新潮新書、2018.も併せて読むことをお勧めします。
このタイトルから、発達障害と犯罪を安易に結び付けてしまうのは短絡的かつ不適切と思います。しかし、発達の凸凹によって苦手なことや難しいことへの何らかの工夫や支援を受けずに、虐待やいじめといったつらい経験が加わると犯罪に繋がりやすいという側面もあることをこれらの本から改めて学びました。本書から、ご紹介したい部分がたくさんあり過ぎるので、今回は表紙の裏に書かれた文を引用し、ご紹介します。
「児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が低く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する」
医療従事者、教育関係者といった専門家は必読と言っても良いと個人的には思います。また保護者の方や少しでも発達障害に興味がある方にも読んで頂ければとも思います。
ではでは。