畑の効果③
前回の続きです。「思い込み」の力・・・ここで突然ですが、ドラえもんに出てくる「オモイコミン」という薬をご存じでしょうか?(てんとう虫コミックス「ドラえもん」22巻 参照)
この薬は、塀の上を畳と思いこめば、怖がらず歩けること。ママからの説教をスズメがさえずっていると思い込めば、怖くなくなること。難しい宿題を、小学1年生の問題だと思い込めば、簡単に取り込むことができること。野球のボールをゴム風船と思い込めば、簡単にキャッチ出来る事。といった効果があります(詳しくはドラえもん22巻をご参照ください(^-^)。オチもちゃんとありますので)。
また、こちらの本では、絵本作家のtupera tuperaの亀山達矢さんが、この「オモイコミン」を取り上げています。この本は俳優の菅田将暉さんや小説家の辻村深月さんも執筆されていて、とても面白かったです(小学館「おとなになるのび太たち」 参照)
話は戻って、この「思い込み」というのは、ネガティブに働くと、人の心を喰っていきます。例えば、「自分は生きる価値のない人間だ」という思い込みを終日、繰り返ししてしまうと、その「思い込み」にとらわれて、場合によっては不眠、動悸、めまい等といった身体症状が出てきてしまう人もいます。
そして、より重度になると、幻聴となって「お前は生きていても意味がない」、「価値のない人間がのうのうと暮らしてていいのか?!」といったネガティブな内容の幻の声が聞こえてしまう人もいます。それぐらい、私は「思い込み」というものは怖いものと思います。
逆に、ポジティブな思い込みをすることによって、その思いが現実に近づくことがあると考えます。
よく私はカウンセリングの場面でクライエントさんに紹介する文言で、「野球選手になりたいと思った人しか野球選手になれない」というものがあります。当たり前のことといえば、当たり前なのですが、ついつい当たり前すぎて多くの方があまり意識していないことが多いと思います。
要するに、野球選手になりたいと思う人はサッカー選手にはならないでしょう。また、今この文章も私はブログとして、このような考え方を多くの人に知ってもらえたらいいなという思いゆえに、文章を考え、手を動かし、パソコンのキーをたたいて書き進めています(^^)/
この「思い込み」の力と「五感への刺激」の力を合わせることで、より「今、ここ」に立ち戻り、ストレスやネガティブな感情の軽減につながるものと考えます。
具体的には、実際に私が臨床で行っていることですが、1回のカウンセリングが終わると、換気、消毒をしてから、フリスクを1~2粒ほど口に入れます(味覚)。そして、部屋にアロマのスプレーをします(嗅覚)。そこに「よし、1回、気持ちをリセット!!」という言葉を心の中で唱えます(思い込みの力)。これら一連の動作は「ルーティン」、「自己暗示」と呼ばれるかも知れません。そうすることで、私の中で次のカウンセリングへの準備が整い、平らかな気持ちになることが多いです。
この「五感への刺激」の種類と「思い込み」の言葉や行動は、十人十色で、自分に合ったものを見つけて頂ければと思います。
他の事例ですと、好きな香水を嗅ぐ(嗅覚)と同時に「大丈夫、大丈夫、大丈夫」と心の中で言ってみる(思い込みの力)。
また、好きな曲を聴きながら(聴覚)、「私なら出来る!」と口に出してみる(この場合は、周囲に人がいないか確かめてからにしましょう笑)、等といったものをこれまでの臨床場面でクライエントさんと共に検討し、実際に提案してうまくいったことがあります。
是非、いろいろと試してみて頂ければ幸いです!!