P循環療法4

東豊先生が提唱する「P循環療法」について3回に渡り、ご紹介させて頂きました。お付き合い頂きありがとうございました。

久しぶりの満員電車での経験から、思いつくままに書かせて頂きましたが、この東先生の理論に出会ったのは、もうだいぶ前になります。

もともと私は、フロイトという心理学者(多くの人がご存じかも知れません)が提唱した「精神分析」という学派の大家の先生が多くいらっしゃる大学院で臨床心理学を学びました。そのような中、ユングという心理学者(こちらもフロイトと並ぶ、心理学の世界の大家)が提唱した学派の先生のゼミ生でした(この点はゆくゆく書きたいと思います。ここでも多くの学びと臨床家として大切なものをたくさん頂きました)。そこでは箱庭療法や表現(≒芸術)療法の一つである、中井久夫先生という精神科医が提唱した「風景構成法」を学びました(修士論文は、この「風景構成法」について書いています)

院を出た後は、愛媛にある精神科病院に勤務するのですが、そこで初めて現場の生の心理臨床に携わるも、いわゆる典型的な頭でっかちな心理士でした・・・(思い返せば、いい思い出でもありますが、大変恥ずかしい限りです(>_<)

しかしながら、そこは同期の看護師や精神保健福祉、作業療法士、医師や事務の人々(または行きつけとなった飲み屋の店主など笑)に支えられながら、一生懸命、日々の臨床に励んでいました。そうこうしているうちに、地元埼玉に戻り、医療・教育・産業という領域で臨床をしていく中、どことなく、日々をこなしていた自分がいたのも事実です。そこには、まだまだ頭でっかちな「臨床心理士とはこうあるべきもの」という固定観念に囚われていた自分がいました。日々カウンセリングや教育相談をしていながらも、そのような固定観念に縛られ、うまくいかないケースがあったのも事実です。また、当時勤務していたクリニックの院長に相談したり、別の勤務地でグループスーパービジョンを受けたりしながら、暗中模索の日々でした。

そのような中、既述の東豊先生の本に出会い、ワークショップにも参加させて頂き、まさに「目からうろこ」とはこういうことを言うんだなと思いました。

知識や技術ばかりに傾倒していた自分にとっては衝撃で、どのようなカウンセリング(心理臨床)を行うにしても、前提として身につけておいた方ほうがいい考え方ではないかと思います(これは東先生の著作の中でもおっしゃっています(「リフレーミングの秘訣」、東豊著、2013、日本評論社.よりP36より)

現在、対人援助職と呼ばれる仕事(医師をはじめ、看護師や心理士、他には教員や飲食、営業等、その他、多くの人と関わる業種の人々。いや、それ以外にも、家族や友人、兄弟といった人間関係においても・・・)に関わっている人々に対して、この「P循環」という考え方や姿勢は、とても大切だと思いますし、何せ、学校ではなかなか教えてくれない(実際に私は、教えてもらったことはなかったです)ことですが、人として当たり前のこと(当たり前ゆえに、なかなかできないことかもしれません)と思います。

多くの人々が「P要素」の側面をなるべく抱くことで、お互いがよりよく生きやすい世の中になるかと思います。世知辛い世の中となりました。人ぞれぞれ、考え方や思いはあるかと思いますが、抽象的かつ楽観的ではありますが、少しでも笑顔で、よりよい人生を生きていきましょう。

ではでは~☺

 

 

 

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