本の紹介 26
かねこカウンセリングオフィスの金子です。
お正月休みに見たNHKの「100分de名著」で取り上げられていた、中井久夫先生の本を再読してみました。
私が今回選んだのは、こちら!!
[新版]精神科治療の覚書、中井久夫、日評ベーシック・シリーズ、2014.
です。
[新版]ということで、巻末を見てみると、第1版・第1刷は1982年の4月。そこから2011年の9月までに24刷。そして、2014年の3月にこの[新版]が出ているとのことでした。私が読んだのは2015年の3月(私は専門書は購入日を本の最後のページの空いている部分に記入しています)。
今年は2023年。第1版から約40年がたっていますが、改めて読んでみても、40年前に書かれたものとは思えず、とても勉強になり、刺激を受けました。
300ページを超すので、恒例の気になった部分の引用は今回はしませんが、
新版・あとがきで中井先生は
「いったい、この本はどういう役目を担ったのだろう。学会に行くと、精神科医になった時に最初に読んだ本だと私に挨拶をする人が結構いたから、そういうお役に多少は立ったかもしれない」(下線は金子)と記されている。
そして、結びに
「本というものにはみんなそれぞれ運命がある。この本は早く世に出たわけだが、早く出たことによって日本の精神科(医療)にいくらか作用した面があると思っている」(下線は金子)と書かれてます。
中井先生と直接、お会いしたことはないですが、下線を引かせて頂いた表現は先生のお人柄だと思いました。大変おこがましいですが、「多少」ではなく、「いくらか」でもなく、「多大」かつ「十分に」これまでの日本の精神科医療及び、臨床に貢献されてきたものと思います。ありがとうございます。
今年度も引き続き、日々勉強、自己研鑽し、臨床に励みたいと思います!!
ではでは。