好きなことをとことんつきつめる①
かねこカウンセリングオフィスの金子です。
突然ですが、皆さん、新聞は読んでいますか??
昨年度の話になりますが、講師をさせて頂いている看護学校で、学生達にこの質問をすると、3分の1くらいの学生が「読んでいます」と手を挙げてくれました。残りの、読んでいない人たちにその理由を聞くと「そもそも、新聞を家でとっていない」、「ニュースはネットで見る」、「活字を読むのがめんどくさい」等といった、私からすれば驚きの意見がポンポンと出ました。<そんなものなのかなぁ・・・>と思いつつ(もちろん、時代や実際は新聞を紙ベースではなく、スマホ等で見ている方もいるかも知れませんが)、私個人としては、新聞ほど、役立つものはないと個人的には思っています。
さて、前置きが長くなりました。今回は、朝日新聞にて鷲田清一さんが、連載されている「折々のことば」から、ある母親の言葉を紹介しますね(これまた、少し古い記事になりますが)。
「あの子は魚と絵が好きだからそれでいいんです」
(2016.9.7 朝日新聞「折々のことば」より引用)
この言葉は、学校の担任の先生に、「もっと勉強も」と告げられた時に、その母親が返した言葉だそうです。
とても大切な視点だと思います。この発言は母親が息子の存在自体を受け止めていないとなかなか出来ないものと思います。勉強に関しては、親心でついつい、「もっと勉強しなさい」とか「苦手な教科もきちんとやるのよ」と言いたくなるもの・・・しかし、人間、苦手な事をやるのって、ストレスを感じやすいですよね。それよりも、自分の好きな事や熱中できる事には取り組みやすい。
その際に、ポイントとしては、「とことん」やることですね。中途半端が一番良くないと思います。この「とことんやること」において、私の高校の同級生に、英語しか勉強しないO君がいました。彼は他の教科は、ほぼ赤点ギリギリ・・・しかし、英語だけが毎回、ほぼ満点。そんな彼に私は<なんで他の教科も勉強しないの?>と聞いた事があります。すると、O君はなんでそんな事を聞くんだ?といった表情で、「だって、俺は英語が好きだし、英語で仕事をしようと思っているから、大丈夫なんだよ」という返答でした。将来の事なんて考えていない、ぼんやりした高校生だった私は、<O君って変わったやつだなぁ>くらいにしか思っていなかったのですが・・・
そんなO君、今は翻訳家。そして、今回、紹介した子どもは・・・
皆さん、ご存知・・・
「ぎょ・ぎょ・ぎょ!」で有名なさかなクン。
「とことん」つきつめることで新たな展望がひらける。誰もがハマる分野や領域があるものです。しかし、多くの人が他のことに引っ張られて「とことん」やれない。
是非、そこはあらゆるしがらみや関係を振り切ってでも(まぁそれはそれで、難しい…ゆえに苦しさやしんどさがあるかと思いますが・・・)、「とことん」ハマって取り組んでいくことが、後で思いがけないものにつながる場合があるともいえるでしょう。
ではでは、また、次回は私の「とことんはまる」エピソードと、「私の出会った先生」について書きたいと思います。